『Think Smart(シンク・スマート) 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』ロルフ・ドベリー[著]安原実津[訳]サンマーク出版
本の大まかな内容
人生を向上させるためには、失敗を避け、よい結果を出せるようになるための土台づくりをする方が効果的!
ベストセラー『Think clearly(シンク・クリアリー)最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』で、大反響を呼んだ著者が、本書では『ふるまいの誤り』をテーマに、52の錯誤から抜け出す方法を紹介しています。
わかりやすく読みやすく、『思考の罠』に気づかせ回避する方法を教えてくれる人生の指南書です!
こんな人におすすめ!
◎気づくといつも同じ失敗を繰り返している人
◎『成功する方法』では、成果を得られなかった人
◎自分の思考や行動パターンを見直したい人
自分に何かをプラスする成功法が合うタイプと、失敗を避ける方が合うマイナスタイプと、人によって分かれるのではないでしょうか。
自分はマイナスタイプだと思う人は、ぜひ本書を読んでみてほしいです!

『失敗を避ける』というのが、いらないものを手放していく感じがして、『断捨離』好きなわたしにも合っていると思いました!

誰もが持っている『思考の罠』とは?

こんなことはありませんか?👇👇👇
●特に興味がなかったのに『限定品』と聞いて急に欲しくなる
●やらなければならない作業なのに、ギリギリにならないとできない
これが、『思考の罠』です。
人間は、こういう間違った思考や思い込み=『思考の罠』に引っかかって、判断を誤ったり失敗したりすることがよくありますね。

本書を読んで、こんなにもたくさん『思考の罠』があるのかと、知りました!
本書では、わたしたちが陥りがちな思考や行動の誤りが52種類、紹介されています。
そして、それをどう回避すればいいのかというアドバイスも書かれているので、いい人生を送るために役立つ一冊であることは、間違いないです!
「確実に成功する方法」はわからないが「何が成功を台なしにするのか」ははっきりわかる
著者は本書の中でこう書いてます👇👇
大切なのは、ごくシンプルなこの事実を認識することだ。「すべきでないこと」は、「すべきこと」より、はるかに影響力があるのだ。
『Think Smart(シンク・スマート) 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』ロルフ・ドベリー[著]安原実津[訳]サンマーク出版 1~2ページ
「すべきでないこと」に気づき、思考や行動の誤りを減らすことで、よい結果を招くようになる! ということなんですね💡
スイス航空会社の複数の子会社の最高財務責任者、最高経営責任者を歴任してきた著者が、たどり着いた方法なので、説得力があります!
著者は、過ちを犯さないために、自分用の『思考の罠』リストを作って、大事な決断をする前にチェックしていたそうです。(それが、コラムを連載するきっかけになり、そのコラムをまとめたのが本書)
仕事ができる著者のような人でも、チェックして確認しないといけないくらい、巧妙な『思考の罠』って、具体的にどんなのがあるのか、気になりますよね。
この記事では、これは知っておいた方が役立つぞ!!と思ったものを、2つ紹介したいと思います👇👇
①プロパガンダは、効果があるのか?

『プロパガンダ』って、わざとらしいし違和感があるし、さすがに気づくし、やっても意味ないんじゃないの?
と、思っていましたが、これが意外にも効果がある、のだそうです😱💦
その理由としてあげられるのが、「スリーパー効果」。
脳は「情報の入手先(プロパガンダの発信元)」は比較的速く忘れ、「情報そのもの(プロパガンダの内容)」はすぐには忘れない、というもの
そのため信用度の低い情報源から得た情報でも、時間とともに信用の度合いは上がっていくというわけである。
『Think Smart(シンク・スマート) 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』ロルフ・ドベリー[著]安原実津[訳]サンマーク出版 208ページ

記憶って、分割されて、しかも忘れる速度が違うんですね😮💦
プロパガンダの代表的な例として、あがっていたのが、アメリカの選挙戦で流される、対立候補を中傷する不快なCM。
プロパガンダとわかってしまうのに、どうしてなくならないのか?
↓↓↓
そのとき「スリーパー効果」が起こっていて、何週間か経つと、その情報の出どころがどこだったかはっきりしなくなり、対立候補者の悪い印象だけが脳に残っている……。
効果があるから、中傷CMはなくならないんですね。

わたしもこれと似たことが、日常の中でよくあります💦
「どこで聞いたかわからないけど、こういう話があって……」みたいな会話、よくしてます……💦
「スリーパー効果」を阻止するには?
日常の中に入り込んでくる「プロパガンダ」を脳に定着させないためには、どうすればいいのか?
本書では、阻止する方法4つを、教えてくれています!
2️⃣広告にひどく汚染されていると思われる情報源からは距離をおく
3️⃣なんらかの主張に出くわしたときには必ず「情報源」を覚えておく
4️⃣探偵になったつもりで「この主張は、誰の利益になるのだろう?」と考えてみる
特に4️⃣だけでも実行すれば、誰かの声に惑わされることから自分の身を守ってくれると思います!!
②『ない』ことを見つけるのは、難しい

著者が、コンサートに行ったときのこと。
ベートーベンの第九を聞き、感動し「なんと幸せだろう」と思ったあとに、ふと疑問が浮かんだそうです。
この世に第九がなければ、私たちはいまより不幸になるのだろうか? と。
その疑問に対して、出していた答えはこうです👇👇
そんなことはありえない。第九が作曲されていなくても誰ひとり困る人はいない。(略)
つまり、存在しているものは、ないものよりずっと価値があるように感じられる。
『Think Smart(シンク・スマート) 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』ロルフ・ドベリー[著]安原実津[訳]サンマーク出版 260~261ページ ㊟太字は本書のまま
この現象を「特徴肯定性効果」と経済学者は呼ぶそうです。
「存在しないもの」は認識できない
戦争中は、戦争を実感できるが、平和なときはそのことに気づけない。
病気のときは、病気を実感できるが、健康なときは自分が病気になることがあるのだという事実に意識がいかない。
人は、「起きていないこと」「存在しないもの」について考えるのが不得意なのだそうです。
でも今(2022年3~4月)実際に戦争が起き、コロナの蔓延は続き、いつ自分が感染してもおかしくない状況にあります。
「起きないであろう」ことが「起こっている」。
「あたりまえだと思っていた平和や健康が、あたりまえじゃない」と身をもって知る時代になってしまいました。
でもそれを逆に言うと👇👇
『自分の国では戦争になっていないことに気づける』タイミングであり、
『コロナにかかっていない自分の健康に気づける』タイミング、でもあります。
「起きていないこと」を考えると幸せを感じられる
著者はある日、散歩をしていたとき、ふと気がついたそうです。
「体のどこにも痛みを感じていない」ということに!
ときには「起きていないこと」について考えてみさえすれば、私たちはいまよりずっと満ち足りた気持ちになれるのではないだろうか。
『Think Smart(シンク・スマート) 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』ロルフ・ドベリー[著]安原実津[訳]サンマーク出版 264ページ
こういう小さな気づきから、自分の幸せを見つけて、感謝すれば、その幸せが周りにも広がって、今戦争や病気で苦しんでいる人たちの元に届いて、少しでも早く平和や健康になるようになるのではないでしょうか。

本当に小さなことですが、今自分にできることの一つがこれかなと思って、「感謝」を続けています🍀
おわりに
以上が、「Thinksmart(シンク・スマート)」の感想と、おすすめ箇所になります。
本書には、わたしが今まで読んできた「心理学」や「行動経済学」の本に書かれていたことが、たくさん載っていました。
それに気づいたとき、こう思いました。
すべての学問はつながっていて、人を幸せにするためにはどうすればいいのか? ということのために研究が続いているんだと。
そんな成果を、こうして本として手軽に読めることができることに、感謝したいと改めて思いました。
上の記事で紹介したものも合わせて、52コの人生を向上する知識やヒントが書かれていますので、ぜひ本書を手にとって読んでみてください!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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