【読書感想】『風葬の教室』面白すぎて、一気読みした文庫本!

ブックレビュー

『風葬の教室』山田詠美[著](『蝶々の纏足・風葬の教室』新潮文庫)

本の大まかな内容

転校が慣れっこの小学5年生、杏は、今回の学校でも波風立てず、うまく馴染んでいた。
が、あることがきっかけで、いじめの対象になってしまう。
まるで宗教のようないじめが、教室内に蔓延し、もう“死”でしか仕返しできないと考えた杏だったが……

1989年に第17回平林たい子文学賞を受賞。

少女の弱さと強さに魅了される

人気作家さんなのに、今まであんまり読んでこなかった方の一人、山田詠美さん。
今は、芥川賞で審査員をされるときの、辛口選評が楽しみだったりしますが💦
今回、山田さんの初期の頃の作品、『風葬の教室』を読んでみました。
これが、最高に面白かった! 一気読みでした!

主人公の杏は、引っ越しが多い家庭で育ったこともあり、少し大人びた思考を持っています。
達観していて、冷めていて、次に通う学校についても、自分なりの対応を決めている。
新しい土地にきて、浮かれている母や姉を心の中で見下したりもしていた。
そんな彼女は、転校先の学校でも、器用に立ち振る舞い、平和な日々を送っていた。

安心して過ごしていたのに、女子に人気の体育教師から好かれてしまい、クラスのリーダー的存在の女子がのろしを上げ、いじめが始まる。
今までは都会から来た杏が、田舎のクラスメイトたちを、ある意味、手玉に取っていたが、それがまったく機能しなくなり、態度や言葉で傷つけられる。

でもそのことで、自分にとって本当に大切なものに気づいていく。
いじめは担任も加わり、エスカレートしていく。もう“死ぬこと”でしか、奴らに仕返しできないと思い詰める。

しかし、杏は、ある出来事で突破口を見つける。
その突破口とは? 

いじめの小説はふだんあまり読まないのですが、本書は、ずんずんと惹きこまれて、止まらなくなりました。

わたし
わたし

文章が素晴らしすぎて、物語が、水を飲むようにするすると頭に入っていく感覚になって、気持ちよかったです🧠✨

そこには、少女の、弱さから強さへの脱皮があり、ラスト、「いいぞ!」「よくやった!!」と拍手を送りたくなりました。
最後にタイトルの『風葬の教室』が効いてくるところでは、「おー…!」と感嘆し、鳥肌が🐔✨
本を閉じたとき、心地よい余韻につつまれて、しばらくぼうっとしてしまいました👍✨

読書の醍醐味を再確認できた本

以前読んだ山田詠美さんの作品『晩年の子供』も、みずみずしく描かれた子供の心情に、ページをめくる手が止められなかったのですが、今回も同じ状態になりました👇

読みたい本が見つからないときのアイデア

実は、本書を読む前、読みたい本がなくなってしまい、途方にくれていました。
そこで、あまり読んだことのない大御所作家さんの、初期作品は絶対に面白いはずだ! とひらめき、そういえば、以前から山田詠美さんをもっと読もうと思っていたことを思い出し、本書を手に取りました。
大正解でした!
そして、このアイデアは使える!と、ひそかにほくそ笑みました😊

読みたい本がなかなか見つからないときは、あまり読んだことがない大御所作家さんの初期作品がおすすめ!

おわりに

以上が『風葬の教室』の読書感想でした。
わたしは、河出文庫版を読んだのですが、今手に入るのは、新潮文庫版のようです!
『風葬の教室』以外の作品も収録されていますので、ぜひ読んでみてください!

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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