【ミニマリスト】『もたない男』こんなに捨てても大丈夫なんだと、捨て活に勇気をくれる一冊

ブックレビュー

『もたない男』中崎タツヤ[著]新潮文庫

本の大まかな内容

これぞ究極のミニマリスト!
人気漫画『じみへん』の作者の、モノを捨てまくる超『断捨離』な生活が、とても変で、面白い。
めちゃくちゃ捨てるけど、ちゃんと物欲もある。買って使って確かめて、必要なければあっさり捨てる。

淡々とつづられる、ここまでするかという「ムダをなくすための捨て活」、笑わずにはいられません。

ミニマリズムの到達点かもしれない

本書の著者は、漫画家の中崎タツヤさん。
『じみへん』という漫画が好きで、本書を読んでみようと思いました。

『じみへん』は、中崎タツヤによる漫画。1989年から2015年37・38合併号まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された15コマ漫画。毎回毎回様々な登場人物(時に作者本人も)がありそうでないような、じみ〜に変な笑いを15コマのなかに織り交ぜられて進んでいく。

2015年8月、中崎が還暦を迎えるのを機に中崎の意向で連載を終了した。最終回掲載号は「感謝企画」として、マンガ家48人による描き下ろしイラストが併せて掲載された。

2016年、第20回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞。

ウィキペディアより

漫画同様、本書も面白かった✨ 

本の最初に著者の仕事部屋の写真が載っているですが、しょっぱなからあ然😦 今まで見てきたミニマリストの部屋以上に、一番モノが少なかった!
著者いわく、この部屋を訪れた人は、モノがなさすぎて、みんなぎょっとするそうです。
「不動産屋に内見に案内されたみたい」と言う人もいたとか笑💦
まさに、その表現がぴったりなくらい、本当に何もない部屋です笑

「もたないと仕事に集中できる」と書かれていますが、だとしても、もたなさ過ぎて、笑ってしまいます。
でも、ご本人はいたってまじめで、今まで捨てたモノについて、淡々とつづっていきます。
もう「捨て変態」としかいいようがありません。面白いです。

インクが減ってきたボールペンを削る

必要のないものはどんどん捨てていく著者。
中でも、「すごいな…」と思ったのは、ボールペンです。

ボールペンのインクが減ってくると、減った分だけ長いのが無駄な気がしてきます。ですから、ちょっと書きづらくなるんですけど、インクが減るごとにボールペンの本体も短く削っていきます。その作業はすごく面倒です。面倒ですがやり遂げると、精神的にはすごく落ち着きます。

『もたない男』中崎タツヤ[著]新潮文庫 35~36ページ

ボールペンを削るなんて、めちゃくちゃ面倒だし、使いにくくなるのに、無駄をなくす方が著者にとっては幸せなんですね笑💦
やっぱり変で、面白いです👍✨

啓発でも自慢でもないスタンスに好感

ここまで極めていたら、「こんな生活、みなさんもしてみませんか?」と言いたくなりそうだけど、中崎さんにその思いは一切ありません。
自分がしてきたことを淡々と語るだけ。誰にも勧めない。それがいいんです。
巻末に、『断捨離』のやましたひでこさんと、イラストレーターの南伸坊さんの対談が載っているのですが、そこでも本書について、こう語られています👇

やました 啓発しない、かといって「変な俺」の自慢でもない。

『もたない男』中崎タツヤ[著]新潮文庫 197ページ

本当にその通りだと思いました。自分を良く見せようとしない感じがいいんです。
このようなセンスと世界観を持っているのが著者で、さすが長年愛された漫画家さんだなと感じました。

結果的に、捨て活の応援になっている

「あなたも捨てよう」というメッセージはまったくなく、押し付けがましくない本書ですが、ミニマリストになりたいわたしには、大きな「励まし」を受け取ったような気持ちになりました。
けっこう前からミニマリストになりたいと捨て活をしていますが、まだ達成できずにいるのは、やはり捨てることに抵抗があるからなんです。
でも、本書を読んで、その捨てっぷりを知り、「こんなに捨てても大丈夫なんだ」と思うことができました
捨て活界の大先輩に、お手本を見せてもらったみたいな感じ✨
だから、結果的に、啓発になっていると言えるのかもしれません。自発的で安心感のある啓発です。

捨てる勇気をくれて、ありがとうございます、と言いたいです。

常識を自分基準で見直してみる

他にもすごいなと思ったのは、中崎さんが捨てるだけではなく、興味をもったモノはどんどん買うところです。
購入して、実際に使ってみて、自分に必要か必要じゃないかを確かめて、いらなかったらいさぎよく捨てる!
こういうことは、カンタンなようで、なかなかできない行動なので、見習いたいなと感じました。

巻末の対談で、南伸坊さんもこう指摘されていました👇

南 声高に主張したいわけではないんだろうけど、私たちの多くが「こういうものだ」と思い込んでいることを、ナナメから見て提示している。

『もたない男』中崎タツヤ[著]新潮文庫 197ページ

著者は、掃除機やバリカンを何度も買い替えたり、バイクのフェンダー(泥除け)がいらないんじゃないかと、実際に取り外してみたりしています。
(バイクのフェンダーの結果もまた、面白いです👍✨)

多くの人が、買ってしまったモノは、使いにくくてもそのまま使い続ける、なんてことは日常的にやっているのではないでしょうか?
逆に、完成しているモノに「本当にこの部品必要か?」という視線を向けることは、したことがないのでは?

わたしは完全にそうです…。
一度立ち止まって、自分の頭で考えることが大切なんですね。
これからは、ちゃんと考えようと思います。生きづらくなりそうですが笑💦

おわりに

以上が『もたない男』のブックレビューでした。
本書は、以前にも読んでいたのですが、ブックレビューを書きたくて、再読しました。
ふだんは、同じ本を2回読むことはほとんどないのですが、本書は面白くて、すいすいと読むことができました。

著者の中崎タツヤさんは、2015年に、60才になったところで、断筆されたのだそうです。
もう中崎さんの漫画は読めないのはさみしいですが、きっと今も、すっきりしたおうちで、奥さんと、シンプルな生活を送っておられるだろうと思います。

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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