【ブックレビュー】【おすすめ海外小説】『ずっとお城で暮らしてる』怖いのが苦手でも惹きこまれるホラー小説!

ぬいぐるみを持つ女性ブックレビュー

『ずっとお城で暮らしてる』シャーリイ・ジャクスン[著]市田泉[訳]創元推理文庫

あらすじ

18才のメアリ・キャサリン・ブラックウッド(通称メリキャット)は、10歳年の離れた姉、コンスタンスと、伯父のジュリアンと暮らしている。
6年前、両親と弟、伯父の妻が殺されるという殺人事件が起きた。3人はその生き残り。
資産家一家の凄惨な事件で、しかも殺人があったその屋敷に暮らし続けているので、村人から忌み嫌われている。
姉妹は、独自のルールを定めて、ひっそりと生活していた。
そんなある日、従兄のチャールズが突然やってきて、住み着いてしまう…。

丸善ジュンク堂書店のスタッフさんの推薦本

本書『ずっとお城で暮らしてる』を知ったきっかけは、『丸善ジュンク堂書店スタッフが選ぶ 夏の文庫50冊』というチラシでした。

面白そうな本がたくさん紹介されていました!赤丸してチェックしています!!

ネットでも、チェックできます!

それまで、シャーリイ・ジャクスンという著者のことさえ、知りませんでした。
でも、この書店員さんの紹介文👇
『シャーリイ・ジャクスンの世界は歪んでいる。ほんのわずかな歪みなので、最初のうちは気づかないかも知れない。何かがおかしいと分かったときには手遅れだ』
というのを読んで、がぜん興味がわき、手に取りました!

著者はこんな人

シャーリイ・ジャクスン(Shirley Hardie Jackson, 1916年12月14日 – 1965年8月8日)はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれの作家。日常と非日常の境界、日常生活のなかの人間心理の異質さを描く作風で知られる。

ウィキペディアより

代表作は、本書『ずっとお城で暮らしてる』
     傑作短編『くじ』
     スティーブン・キングが激賞した『たたり』 があります。

文庫本の解説で、直木賞作家の桜庭一樹さんは、『くじ』という作品について、こう書かれています👇

これは、狭い町で年に一度、くじ引きで犠牲者を決め、石を投げて殺すという恐怖小説で、一度読むと忘れられず、同じ刺激を求めて、ジャクスンの既刊本を探しに本屋を図書館を知人の書庫を幽鬼のように彷徨う羽目になること必至の怪作である。

『ずっとお城で暮らしてる』シャーリイ・ジャクスン[著]市田泉[訳]創元推理文庫 250ページ
わたし
わたし

『くじ』という小説、なかなかの衝撃的な物語なんだな~😱

本書の魅力は、じんわりした怖さ

本書『ずっとお城で暮らしてる』は、『くじ』のような大きな刺激というよりか、じわじわくる恐怖があります。
ジュンク堂書店の方が書かれていたように、「歪み」があるのです。
その「歪み」の正体は、語り部が18才のメリキャットというとこにあるから、だと思います。
彼女の視点で物語が進んでいくので、メリキャットの考え方や世界観「正常」のような気持ちになってきます。
それでも途中で、「あれ?なんかおかしいぞ」とようやく「歪み」に気づくのですが、そのときにはもうすでに遅し。どっぷりと、メリキャットの味方になってしまっています。
読者は、何が正しくて、何がおかしいのかわからなくなっている。つまりもう、「手遅れ」なのです。

この、はまり込んでしまう「手遅れ」感が、他のホラーやミステリーでは感じたことのない、独特の面白さだと感じました!!

わたし
わたし

著者ならではの魅力なのですね!

映画化もされています

本書は、2019年に映画化されています👇

公開日: 2019年5月17日 (アメリカ合衆国)
監督: ステイシー・パッソン

予告を観たら、驚きました。
登場人物、屋敷、風景が小説の世界がそのまま再現されている!!
美しいんだけど、そこはかとなく怖い……そんな感じが見事に表現されていて、素晴らしいな~と思いました。

わたし
わたし

有料配信で観れるみたいですよ!

ホラーが苦手な人でも大丈夫

屋敷にさす、こもれびは、こんなイメージ…👆

本書は、恐怖を描いているのですが、その手のジャンルが苦手な人でも読めると思います。
わたし自身、ホラー小説は怖いのでほとんど読まみません。本書も恐怖小説だと知らずに読み始めました(笑)

恐怖が苦手なのに、どうしてこんなに惹きこまれるのだろう? とわからなかったのですが、桜庭一樹さんの解説を読んで納得しました👇

紛れもなく恐怖小説で、女性作家の筆になるものだが、ジャクスンが描いているのは女の怖さではなく、性別も年齢も国境も超えたところにある、❝弱者のとほうもない怖さ❞だと思うのだ。

『ずっとお城で暮らしてる』シャーリイ・ジャクスン[著]市田泉[訳]創元推理文庫 251ページ

❝弱者のとほうもない怖さ❞
わたしが惹かれた理由は、まさにこれだ!と思いました。

上質なホラー小説を読みたい方は、ぜひ手に取ってみてください!

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

内部リンク

コメント