「ソロー『森の生活』を漫画で読む」 おかしな人と呼ばれても、やり抜いたら、すごい人と呼ばれるのです【ブックレビュー】

ブックレビュー

「シンプルに暮らそう!ソロー『森の生活』を漫画で読む」ヘンリー・デイヴィッド・ソロー[文]ジョン・ポーサリーノ[編/絵]金原瑞人[訳]イソップ社

本の大まかな内容

アメリカ マサチューセッツ州コンコード市にあるウォルデン湖の近くの森林に、自分で小屋を建て、自給自足で暮らしたソロー。
その実験的な生活は、1845年7月4日から始まり、2年2カ月2日続いた。
そこでの日々を日記に書き、のちに出版したのが『森の生活』。
彼の死後に注目されるようになり、出版から160年以上経っても、世界で読み継がれる、アメリカノンフィクション文学の最高傑作。
そんな古典名作を、作家でイラストレーターのジョン・ポーサリーノが、わかりやすく漫画にしてくれたのが、本書です!

感想

この本を知ったきっかけは、大原扁理さんが「おもしろい」と言っておられたのを聞いたことでした。
大原扁理さんとは、20代から隠居生活をされていて、そのことを本で書かれている作家さん。

わたし
わたし

大原さんの、そのシンプルな生き方と優しい考え方に、わたしは、メンターとして尊敬しています✨

大原さんの口から聞くまで、この有名な『森の生活』のことを知りませんでした💦
これは読まなくては! と、さっそく読んでみました。

これがまあ本当に、おもしろかった……✨

ソローは、住んでいる家も自分で手づくりして、必要最低限のモノだけで生活しました。
執筆や読書をしたり、作物を作ったり、時々町へ出かけたりし、その他の時間は、自然の中に身をおいて、過ごしました。

👆この暮らし方は、鴨長明の『方丈記』とものすごく通ずるものがあるのに、驚きます。
大原さんは、『フツーに方丈記』という、鴨長明の『方丈記』について書かれた本を出版されています👇

『方丈記』も、『森の生活』も、「大原さんの隠居生活についての本」も、今でいう、ミニマリスト的なシンプルな暮らしの記録で、根本的なことはすべて共通しているように感じます。
(大原さんの名前が「扁理(へんり)」なのも、ソローの名前と同じで、何かつながるものを感じます✨)

手放すことを徹底して実践し、自由を手に入れた人たちの言葉✨

物をたくさん所有して身動きが取れずに苦しんでいる人や、スケジュールがパンパンなのに、本当にやりたいことをしていないという人には特に、心に響くと思います。

本書は、古典名著『森の生活』を、漫画にして、シンプルでわかりやすく、でも内容は凝縮して描いてくれていますので、すごく読みやすいです
後半には、『森の生活』の本文(抜粋版)も載っているので、お得!
訳者の解説も、本書に深みを与えてくれて、とってもいいです!

わたし
わたし

『フツーに方丈記』も、めちゃくちゃわかりやすくて、おもしろいです!
大原さん訳の『方丈記』が、とにかくいいです👍✨

おかしな人と思われても、自分がやりたいことをやり通した結果がすごい!

ソローは、かなりの高学歴で、大学を卒業後、パブリックスクールの先生という、立派な職業に就いていた、いわゆるエリートでした。にもかかわらず、そこをやめて、兄の死などを経験したのち、森で一人で暮らすことを選び、実践します。
パブリックスクールをやめた理由は、当時はあたりまえだった、生徒にムチを打つ、ということがいやだったから
ソローの性格が平和的でありながら、納得がいかないことはどんな犠牲を払ってもやらないという信念を持っているということが、このエピソードから伝わってきます。

まわりの人たちからは、「そんな理由で、いい仕事をやめたの??」と理解されず、おかしな人、という目で見られていました。
でもソローは、そういう隣人たちの意見は聞かない方がいいということをよく知っていて、自分の心の声に従って行動しました。

隣人たちが良いということのほとんどは悪いことだ。(略)わたしには、そんな言葉には耳を貸すなというあらがいがたい声が聞こえてくる。新しい世代は、過去の世代の作り上げたものを難破船のように捨ててしまえばいいのだ。

「シンプルに暮らそう!ソロー『森の生活』を漫画で読む」ヘンリー・デイヴィッド・ソロー[文]ジョン・ポーサリーノ[編/絵]金原瑞人[訳]イソップ社 「森の生活(抄)」113ページ
わたし
わたし

ここまで言い切ってくれるソロー先輩、かっこいいぜ、と拍手を送りたいです👏✨

最近でこそ、👆こういう意見がメジャーになりつつありますが、自問自答してこの意見を導き出したというところもすごいなと思います。
そして、そんなソローの強い信念は、未来へつながっていきます!

ガンジーやキング牧師にも影響をもたらした、ソローの平和的革命

ソローは、税金を払っていなくて、刑務所に入れられたことがありました。
なぜ、税金を払っていなかったのかというと、州が行っていた、奴隷制度とメキシコ戦争に反対していたから。
抗議の意味で、税金未払いを行使したので、町に行ったときに逮捕されてしまったのです。
刑務所は、たった一晩で出られることになりました(親戚が未払い分を支払ったので)が、その一晩で、たくさんの学びを得ます。それは、平和的に抵抗すること。その考えをのちに『市民としての反抗』というエッセイにして出版することになります。

少数派は、多数派に迎合している限り、無力だ。(略)しかし、全力で対抗すれば、無視できなくなる。(略)もし今年、1000人が税金を払わなかったらといって、それは暴力沙汰でもなければ、流血沙汰でもない。

「シンプルに暮らそう!ソロー『森の生活』を漫画で読む」ヘンリー・デイヴィッド・ソロー[文]ジョン・ポーサリーノ[編/絵]金原瑞人[訳]イソップ社 「市民としての抵抗」151ページ

この名エッセイは、20世紀のイギリス統治に対するインドの独立運動(ガンジーの非暴力主義)や、アメリカの公民権運動(キング牧師の非暴力のバス・ボイコット運動)などに影響を与えました。

ソローは、エコロジーの父でもある!

ソローは、必要最低限のモノだけで暮らしていけたので、自由な時間をたっぷりもっていました。
その時間を、動植物をじっくり観察することに、ぜいたくに使いました。

ソローは年を取るにつれて、自分を取り巻く世界を勉強し、記録し、科学的に理解しようとするようになった。(略)彼の後期の著作は現代的なエコロジー思想の先駆けになるもので、(略)今日、ソローは多くの人から、現代の環境主義運動の父と呼ばれている。

「シンプルに暮らそう!ソロー『森の生活』を漫画で読む」ヘンリー・デイヴィッド・ソロー[文]ジョン・ポーサリーノ[編/絵]金原瑞人[訳]イソップ社 107~108ページ
わたし
わたし

これって、すごくないですか!!
ガンジーやキング牧師、そして、自然環境へもいい影響を与えたなんて、やっぱり、ソロー先輩すごいっす🤩✨

わたしは実験から、少なくとも次のことを学んだ。夢の指し示す方向に自信を持って進み、自分の思い描いた生活をすれば、普段は思いもよらない成功を手にすることができる。

「シンプルに暮らそう!ソロー『森の生活』を漫画で読む」ヘンリー・デイヴィッド・ソロー[文]ジョン・ポーサリーノ[編/絵]金原瑞人[訳]イソップ社 「森の生活(抄)」148ページ

ソローは、森での生活を「実験」と呼んで、やりとげてしまいました。
まさか、こんなに未来に影響を与えるものになるとは思っていなかったでしょう
本当に「思いもよらない成功」を巻き起こしてしまったんですね!!

本書から得られたこと

💎周りになんと言われようと、自分の信念に従って生きることの大切さを教えてもらえた

💎シンプルに暮らすこと、手放すこと、何かに抵抗するときの平和的なやり方、動植物の偉大さなどを、自分に落とし込んで、これから生きていこうと思えた

学びの多い読書ができました!おすすめの一冊です!!

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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