『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』あなたの寄付や菜食主義、本当に役に立ってる?【読書感想】

効果的な利他主義宣言サムネ画像ブックレビュー

『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』ウィリアム・マッカスキル[著]千葉敏生[訳]みすず書房

本の大まかな内容

自分が寄付した100円が、どのような道をたどって、困っている人たちの元へ行くのか?
こうしたギモンを持ったことが、誰しも一度はあるはず。
100円をできるだけ減らすことなく困っている人の元へ届けるために、わたしたちは何をすればいいのか……。

本書は、寄付をはじめ、誰かの幸せのための行動を、より<効果的>に行うための方法や考え方を、科学的な分析で教えてくれます。
お金だけでなく、自分の時間や能力での支援や、支援を仕事にすることについて、などなど幅広く書かれています。

寄付して満足するのではなく、その先を考える……。
今まで見ようとしていなかった視点を持つことができる一冊!

こんな方におすすめ

💎社会貢献をしたいけど、何をしたらいいかわからない方
💎寄付をしたいけど、どの慈善団体を選んだらいいかわからない
💎寄付したお金は、本当に困っている人に届いているのか疑問に思っている方
💎支援を仕事にしたい、と思っている方

わたし
わたし

『いいことした』と思っていたのに、実はそんなに役に立ってなかった💦ということもあると知り、ショック😱&勉強になりました!
『いいこと』するなら、ちゃんとしよう!と、肝に銘じました!

富裕国の平均年収なら、世界の上位5%

富裕国(主にアメリカ)の所得上位1%の人たちが、総所得の24%を荒稼ぎしている、というデータは、もう一般化していて、その『1%』の人たちに対して、残りの99%の人たちが不平不満をつのらせている、という空気感が漂っていますね。

でもそれは、豊かな国の中だけの話。
狭い視野の中だけにいたら、大事なことを見落としてしまうよ、と本書は訴えています。

では、広い視野で見てみましょう。富裕国だけでなく、全世界で見ると、こういう状況になっています👇👇

年間5万2000ドル稼いでいたら   ⇒ 世界的上位1%
アメリカの平均2万8000ドルなら  ⇒ 世界的上位5%
アメリカの貧困1万1000ドルでも  ⇒ 世界的上位15%
わたし
わたし

富裕国に暮らしているというだけで、世界の上位15%にいるってことなんですね!!
これは、知りませんでした💦💦

世界の85%の人たちが貧しい暮らしをしていて、中でも、発展途上国の貧困層の人たちは、物価が安さや自給自足をしていることを加味しても、1日あたり約1.6ドル(1か月48ドル 1年576ドル)で暮らしているという。

世界的に見れば、私たちはお山のてっぺんにいる。だからこそ、私たちには世界をもっとよくする計り知れないチャンスがある。

『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』ウィリアム・マッカスキル[著]千葉敏生[訳]みすず書房 22ページ

つまり、そんなにお金をかけなくても、発展途上国の人たちにけた違いの大きな利益を与えることができるということ!

自分で飲むためのビールは5ドルだが、他人におごるためのビールなら5セントで買えるサービスタイムを想像してほしい。(略)私たちの目の前には、常にそんな状況が広がっている。

『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』ウィリアム・マッカスキル[著]千葉敏生[訳]みすず書房 25ページ

結局『誰を』『どう』助けたらいいのか?

少ないお金でも、つらい状況にいる人たちを助けることができる、とわかったあとに出てくる課題はこれではないでしょうか?👇👇

どうやって助けるのか?』『誰を助けるのか?

時間も予算も限られているから、できるだけ<効果的>に支援できれば、それが一番いいですよね! それが本書のテーマなのです。

寄付という支援

寄付するために稼ぐ

ある医師の男性が、自分の医師という能力を、貧困国の人たちのために一番<効果的>に使える方法は何か、と分析をしたそうです。
👇👇
その結果、自分が貧困国で直接働くより、自国で医師として働いて、稼いだお金を寄付する方が、助けられる人命が多いとわかりました。
どういう分析をしたのかというと、未来の可能性の3パターンを比較したのです👇👇

❶彼が富裕国で医師になり、寄付をしなければ ⇒ キャリアを通じて2人の命を救うことに相当する貢献をする
❷彼が最貧困国で医師として働けば ⇒ 年間4人の命を救うことに相当する貢献をする
❸彼が富裕国で医師になり、収入の一部を寄付したら……👇👇
 2014年に2万ポンド(約330万円)を寄付した(それは、10人の命を十分に救える額)

※本書には、その計算の仕方や影響力の違いなどがくわしく書かれています。彼は❸を選択しました。

フェアトレードは、行きつく先を確認しよう

フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動である。(ウィキペディアより)

今ではメジャーになっているフェアトレードについても、本書にくわしく書かれていました。
少し割高になるフェアトレードの商品を買っても、世界の最貧困層にはお金がほとんど届かない例が書かれていて、驚きました。

でも、すべてのフェアトレードの商品がそうと言えるのかどうかはわからないのでは? と個人的には思っています。
支援先との連携がしっかりしている慈善団体もきっとあるはずだと。

だから、自分が買うフェアトレード商品は、お金が現地の人たちにちゃんと届くのかをしっかり確認することが大切だと感じました。
それがはっきりしなければ、本書にも書かれていましたが、もっと安い商品を買って、その差額を寄付にまわした方がずっと<効果的>なお金の使い方だと思います!

どの慈善団体が、<効果的>に寄付金を使えているのか

寄付する、と決めたとしても、結局『どの慈善団体を選べばいいのかわからない』というカベにぶつかるのではないでしょうか?
本書では、海外のではありますが、<効果的に>貧困層の人たちの元へ支援が届けている慈善団体が、リストアップされています。
計算された数値で解説されているので、すごくわかりやすいです。

行動という支援

・肉を買わない ・投票にいく

例えば、苦しむ動物を減らすために、肉を買わないと決めたとします。
実際にそれを行動に移したとしても、「わたし一人が1パック買わなくたって、何も変わらないだろうな……」というなんとも言えない思いが頭に浮かぶのではないでしょうか?
いいことをしても、結局、自己満足だけの無意味な行動なのかな……、とやめてしまうことも。

でもそれは、意味がない行動ではない、と著者は書いています。その答えは期待値にある、と。

期待値とは?👇👇

単純な例として、私があなたに賭けを持ちかけたとする。コインを投げて表が出たら私があなたに2ドル渡す。裏が出たらあなたが私に1ドル渡す。あなたはこの賭けに乗るべきだろうか? 期待値の考え方に従うなら、乗るべきだ。

『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』ウィリアム・マッカスキル[著]千葉敏生[訳]みすず書房 84ページ

肉の話でいうと、あなたがスーパーマーケットで、1回肉を買わなかったことで、もしかしたら、スーパーマーケットの店長が仕入れ数を減らすかもしれないし、もしかしたら、肉の売り場面積を狭くするかもしれない……ということ。

これは単なる机上の空論ではない。経済学者たちはこの問題について調べ、消費者が動物性食品の購入を控えることで商品の供給量に平均でどの程度の影響が出るかを算出した。推定によると、消費者が1個の卵の購入を断念すると、最終的に卵の総生産が平均0.91個減るという。

『<効果的な利他主義>宣言!慈善活動への科学的アプローチ』ウィリアム・マッカスキル[著]千葉敏生[訳]みすず書房 92ページ

卵だけでなく、牛乳も牛肉、豚肉、鶏肉も同じように減少するそう。
だから、あなたの「肉を買わない」というその小さな行動には、ちゃんと意味があるのです。

いいことするなら、<効果的>にした方がみんな幸せ

本書は、困っている人や動物、地球環境をちょっとでもよくしたいと行動する人のためのガイドブックだと思いました。
読んだ後の行動は、読んでないときよりも確実に<効果的>な方法で実践することになるはず!

この記事に書いたもの以外でも、『支援を仕事にしたい』という方へのアドバイスや、『搾取工場で作られた商品の不買運動』についてなど、今まで気づかなかったことやなるほど!と思うことが、たくさん書かれていて、興味がある人はぜひ読んで欲しいです!

貧困国の人たちに寄付することを、ビールをおごる例えの引用で記載しましたが、日本円で書き直すと、5円のビールをおごる感覚で寄付する! ということになります! 5円なら、気軽にできそう!でも、5円も貴重なお金なので、それを<効果的>に使ってもらえる慈善団体へ贈る🎁

素晴らしい流れですね!

そこに自分も入って、その流れを大きくしていきたいなと、本書を読んで思いました!

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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