『フツーに方丈記』現代の隠居が『方丈記』から教えてくれる、誰も血を流さない平和な世の中の作り方【読書感想】

『フツーに方丈記』サムネ画像ブックレビュー

『フツーに方丈記』大原扁理[著]百万年書房

本の大まかな内容

『人はいつか死ぬ』ということは、頭ではわかっていても、それは『いつか』であって、普段深く考えることはあまりありません。
でも、コロナのせいで社会機能がストップし、不安や不満が蔓延したときにようやく、『死』を間近に意識したのではないでしょうか。
そして、これからどう生きればいいのかと、迷ってしまった方も多いのでは?
その答えが、鎌倉時代に書かれた『方丈記』にある!

20代から隠居生活を始めた著者が、自身が監訳した『方丈記』から、今を生き抜く方法を優しく導きます。

読みたかった『方丈記』

わたしが『方丈記』について興味をもったのは、数か月前に見た、中田敦彦さんのYouTube大学の動画でした。
(学校で習ったはずですが、そのときの記憶はまったくなし💦)

作者の鴨長明が、京都の下鴨神社の跡取り息子だったのに、跡目争いで敗れた人だということ、そして、800年以上も前に、今でいうところの『ミニマリスト』的な生き方をしていた、ということ

などなど、「そうやったんや~!!」と驚きの連続で、『方丈記』読んでみたいな~と思いました。

とはいえ、『方丈記』を買うこともなく、関連書籍を調べることもなく、時が過ぎていき……。
もう『方丈記』のことを気にかけなくなっていたころに、ファンであり、リスペクトしている大原扁理さんが『方丈記』をテーマにした新刊を出される、という情報を知り、『これは買わなければ!』と、購入。やっと行動できたのでした。

大原扁理さんは、『年収90万円でハッピーライフ』の著者で、20代で始めた隠居生活のことや、台湾で隠居生活されたことなどの本を書かれている方です。大原さんの生きることへの姿勢や、お金に対する考え方は見習うことが多く、わたしは勝手に『メンター』として尊敬している方なんです!!

もし、本書が出版されなければ、せっかく興味をもった『方丈記』を読まないまま人生を終えていたかもしれない……。
読み終わった今、読まなかった人生はありえない! と確信をもって言えるので、本当にあぶないところでした💦

読むチャンスをくれて、ありがとうございました!!

わたし
わたし

こんな素晴らしい本を書いてくださり、そして、出版してくださり、感謝しかありません😭

大原さん監訳の『方丈記』、マジで最高!

本書の最初に、『方丈記』の現代語訳が掲載されているのですが、これが素晴らしかった✨

超有名な冒頭(原文)『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。~』というのがありますが、それが大原さんの監訳だとこうなります👇👇

何ということもないんだけど、河の流れを眺めるのが好きで、よく鴨川へ出かけます。河っていうのは、いつ見ても同じようにさらさらと流れている、と思いきや、その実態はちょっと違うんです。よく注意して見ていると、いま目の前を流れた水は、次の瞬間にはもうずっと先に行ってしまって、あとからくる水に絶えず取って代わられているんですね。

『フツーに方丈記』大原扁理[著]百万年書房 21ページ

この、今っぽい話し言葉のような現代語訳、最高だなと思いました。しょっぱなから、惹きこまれました。

鴨長明さんが、鴨川のほとりに立っている姿が、すーっと頭に浮かんできましたもん。

これくらいくだけて訳してくれると、本当に読みやすい!

鎌倉時代と令和の時代が、地続きでつながっているんだなと、実感できました。

読み終わった後に、感極まり涙した『方丈記』

『方丈記』の内容は、山の奥に自分で建てた家で一人で自由に暮らすという、世捨て人のような生活を送っている長明さんが、世俗から一歩引いた視線で、京都の人々を観察した様子を淡々と書いています。
大きな出来事として、大火事や飢饉、地震、そして、急な都の移転という“人災”と、次々にやってくる災難が書かれています。

その困難な状態の人たちを見て、「みんな、人より立派な『家』を建てようとするけれども、災害や人災に遭えば一瞬でなくなってしまう……」と長明さんは気づきます。
そして、あの冒頭の『ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず』という言葉がつむぎだされます。

人々を観察している視線は冷静ですが、語られる言葉は、優しさに満ちています。

たとえば、地震のときに、幼い子供を亡くした両親のことを描写しているところは、ぐっとくるものがありました。

『方丈記』は、平安時代から鎌倉時代の災害の記録でもあり、長明さんという素晴らしい文章力を持った人の名エッセイなのですね

わたし
わたし

800年以上も前の出来事を、こうして今、現代の言葉で(しかも大好きな著者さんの訳した言葉で)読める幸せよ🥰

800年という時の長さと、長明さんの才能と優しさ、そして、災害(人災)に遭ってもスクラップアンドビルドで立ち上がってきた人々と自然界の力を、『方丈記』から教えてもらったことで、今わたしたちが受けている疫病や、災害(人災)も乗り越えていけるんじゃないか、という前向きな気持ちになりました

素晴らしい現代語訳のおかげで、『方丈記』が本来もっていたメッセージが、ダイレクトに心に届いた。
だから、わたしは読み終わったあとに涙が出た
のかな、と思いました。

この素晴らしい、大原さん監訳の『方丈記』、たくさんの人に読んでほしいです!!

『方丈記』から教わる生きるヒントとは?

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『方丈記』から得られた生きるヒントは、いろいろと書かれていたのですが、ここではわたしがぐっときた2つをピックアックして紹介させていただきます。

『自分で選ぶ』という大事さ

長明さんは超エリートだったのに、いろいろあって、山の奥に自分で建てた小さな家で、最小限のモノだけで、一人で自由に暮らすことを、自分で決めて、実践しました。
自分で決めたから、不便なことがあっても、たまに寂しくて涙する夜があっても、それはそれとして受け入れて、生きていけたのだと思います。

著者の大原さんも、東京の郊外へ引っ越し、低収入で生活をすることや、台湾に移住してもその『隠居生活』ができるのかと実験してみたり、いろいろなことを自分で決めて、実践されてきました。

そう、お二人とも、自分で選んでこられた

コロナが広がり始めた頃、不要不急の外出はしてはいけない、と、お達しが出ましたね。それに対して、著者は、
『個人の移動の制限』=『日本人の性質として、ロックダウンしなくてもみんな守るよねという空気感』にすごく違和感をおぼえたそうです

そう感じたとしても著者は、文句やグチを言ったり、SNSで発信したり、『自由』を掲げて出歩きまくったりはしません。
深く考えるのです(それがすごい!)

『外を出歩かない』というのは、感染予防として理にかなったルールである
👇👇
だから『外を出歩かない』のは、命令されたからではなく、自分がそれをいいと思ったから、それを自分が選ぶ

こんなのめっちゃ些細な、心の中だけの違いでしかないけど、私の自由とみんなの自由を尊重するために、そして将来「だって国に言われたから」とか子どもたちに言わないために、ここだけはこれからも絶対に譲るわけにはいかん、と思いつづけます。

『フツーに方丈記』大原扁理[著]百万年書房 76ページ

👆これ、すごく大事だなと思いました。
些細なことだけど、この些細なことを避け続けていると、のちに、すべてを国に決めてもらうようになり、それが独裁者を生み、そのときには周りの誰も何も言えなくなるような事態を招くのです

自分の頭で考えて、自分で選択する

これは、政治などの自分の外側のことだけでなく、内面、自分の心を整える効果もあります
くわしいことは、選択理論心理学の本に書かれていますので、よかったら下の記事を読んでみてください👇👇

自分でできることをもっと増やす

長明さんは、身の回りの必要なものを、すべて自分の手で作りだしていました。
家も、服も、ベッドも、娯楽も。
だからもし、それらが壊れたり、なくなったりしても(たとえば、火事で焼失しても、地震で崩れても)、また自分で作ればいいんですね。
これってすごく、『安心』ですよね。なにかあったとき、『なんとかなる』ではなく、『なんとかできる』と言えるのですから

著者は、そこに注目して『自給自足という安心』という章でこう書かれています👇👇

現代人の潜在的な不安って、自分で作れない/直せないものに囲まれていることが、原因のひとつにあるように思います。

『フツーに方丈記』大原扁理[著]百万年書房 104ページ

👆この部分に、わたしもめちゃくちゃあてはまっています。
わたしの今の心配事の中で上位に居座っているのが、『家のお風呂が壊れたらどうしよう』ということ💦
今すでに、シャワーの栓が甘くなってきて、ぎゅーっと閉めないと、水もれします💦💦
いつか、お風呂本体が壊れる日がくる……そのとき、いったいいくらかかるのか? その前にどこに修理を頼めばいいのか? そんなこともわかりません。
わかってるのは、自分たちの力ではけっして直せないこと……あぁ不安です。

ただ、長明さんと生きている時代が違うので、もう自分で直せないものがあることを受け入れて、そこはあきらめて、自分で直せるところは、がんばって自分で直す
それを、ひとつひとつやっていくしかない。めんどくさいし、失敗するかも。
でも、やりとげたとき、『不安』がひとつ消える!!

『不安』があるから、『強い者に頼って、不安を軽くしよう』という思考にになるんですよね。
自分の『不安』を軽くすることができるのは、自分だけですよね!

本書を読んで、心から納得しました。

まず第一歩として、自分でできることをひとつでも多くしていきます!

わたし
わたし

まずは、シャワー栓のもれを自分で直すことですね!!

おわりに

ひさしぶりに、たくさんの人に読んでほしいなと思える本に出会えて、うれしかったです。

本書がたくさんの人に読まれて、『今、自分ができること』を考え、行動したり、自分の頭で考えて選択する、ということを実践すれば、それが、誰も血を流さない、『平和』な世の中の作り方なんじゃないかな、と思いました

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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