『BUTTER バター』料理や家事に悩んでいる女性に読んでほしい。きっと心が浄化されます』【読書感想】

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『BUTTER バター』柚木麻子[著]新潮文庫

本の大まかな内容

若くも美しくもやせてもいない女が、男たちの財産を奪って殺害した……。
週刊誌記者の里佳は、容疑者である梶井真奈子(通称 カジマナ)の独占インタビューを獲得するため、東京拘置所に通う。
美食家のカジマナは、バターとマーガリンの違いもよく知らない里佳に、本物のバターの味を知るために「バター醤油ご飯を作りなさい」と命じ、バターのブランド名まで指定する。
その通りにやってみた里佳は、その日からカジマナにのめり込んでいく。
内面も外見も変わっていく里佳。そしてその影響は、親友の伶子や恋人の誠らにもおよんでいく……。

感想

実際にあった事件をとっかかりに、『女性にとっての料理とは?』『人間にとっての食事とは?』という難題に体当たりし、そこから『女性の真の友情とは?』という大きなテーマを掘り起こして掘り起こして、出てきたかたまりを、ていねいに磨いて、ラストにはきれいな宝石にして、読者に見せてくれた💎✨

読み終わって、そう感じました。心が洗われたような、すっきりした気持ちになりました。

『母の味』とか『家庭的な』とか、若いころは自分も何も考えずに口にしていた言葉が、大人になってから言ったり聞いたりすると、胸の奥がざわつくことに気づいていたけれど、
本書を読んで、多くの女性が自分と同じざわつき=プレッシャーを感じ、苦しんでいるんだな、と確認できて、安心もしました。

わたし
わたし

安心してちゃだめなんですよね。変えていかないと😤

自分が食べたいものを、食べたいときに、必要な分食べる。
これだけは忘れずに、この先の人生を生きていきたいと、本書を読んで心に誓いました💪✨

わたし
わたし

いろいろ考えるきっかけにもなり、小説としても面白くて、本当に読んでよかったです!!

感じたこと おもしろいと思ったところ

🧈『女らしさ』『男らしさ』は、取り払おうしても、気を抜くと、耳元でささやいてくる。

  「それでいいのか?」と。

🧈カジマナも、里佳も、里佳の親友の伶子も、親との関係にそれぞれの葛藤を抱えています。
そこには、『女だったら』とか『普通なら』とか『親だったら』とか、『で、なければならない』的な固定観念があり、彼女たちは、歪んだルールを自分の中に大切に持ったまま大人になってしまった

🧈その歪みが、生きづらさを増幅させていきます。

🧈そんな生きづらさをなかったことにして、ひたすら自分の都合のいいストーリーの中に生きたのが ⇒ カジマナ
  生きづらさと向き合って、戦って、傷だらけになって……というのが ⇒ 里佳と伶子

🧈もし神様がいたら、どちらを応援するだろう?
  もつろん、後者だろう。

🧈読者のわたしも、里佳を応援し、伶子には幸せになってほしいと、願いました。

🧈わたし自身、『嫁』という立場になって、『料理』のことをいろいろ考えてきました。
  子供がいないので、夫と自分の分だけの『料理』です。
  だから気楽でいいはずなのに、それでも考えてしまいます。
  お惣菜を買ってしまった、冷凍食品でごめん、用意できないどうしよう、などなど……。
  家計は折半で、別に養ってもらっているわけじゃないのに、どうしてわたしだけに負担がかかるのか? と腹が立つこともありました。
  でも、本書を読んで、どうせ作るんだったら『自分が食べたいものを作ればいい』と思いました。

🧈マンネリになっても、『食べたかったから』という理由を印籠のようにかかげて、作り続ける!

わたし
わたし

なんで、印籠を持たなくちゃいけないのか、というのも、また引っかかる……😓 でも!

なにをやっても、結局最後は、自分なりの答えを、それぞれで出すしかない!
と、確信がもてたのも、本書を読んで、勇気をもらえたおかげです。

🧈解説で、作家の山本一力さんも書かれていましたが、現実の犯罪が有名なだけに、どうしても『あの事件が下敷き』というのがまず頭に浮かんでしまいそうですが、読めば読むほどそんなことははどうでもよくなってきて、著者がつむぎ出した物語の世界にのめりこめました

🧈今回、柚木麻子さんの小説を初めて読みましたが、またおもしろい作家さんを見つけてしまったなとほくそ笑んでます😊✨
  また別の本も読んでみようと思います。

おわりに

分厚い本で、読み始めるのに気合が必要でしたが、いざ読み出したら、続きが知りたくて、ページをめくるのももどかしいくらい没頭しました。いや~おもしろかった📙✨

物語の力を改めて感じられる、素晴らしい読書体験ができました! おすすめです!!

わたし
わたし

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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