『無私、利他 西郷隆盛の教え』SNSで批判されても、西郷さんを思い出せば、乗り越えられる!【読書感想】

ブックレビュー

『無私、利他 西郷隆盛の教え』稲盛和夫[監修]プレジデント書籍編集部編 プレジデント社

本の大まかな内容

西郷隆盛は、優れた人格者だったと言われています。そんな西郷隆盛が生涯を通じて貫いたのは、「無私」や「利他」という「大義」でした。
鹿児島で生まれ育ち、西郷隆盛から大きな影響を受けたという稲盛和夫が監修。内容は、稲盛への質問とその答え、そしてその後には西郷隆盛の激情の人生がコンパクトにまとめられています。
西郷の生きざまを通じて、現代を生き抜くための指針を得ることができる一冊。

わたし
わたし

歴史にうとい民なので、本書の西郷さんの生涯をまとめた『コンパクト感』がうれしかった! 西郷さんの生きざま、伝わりました! やっぱりすごい人だと、知ることができてよかったです!

「利他」について知りたくなり、まず1冊、本書を読んでみました

「利他」を辞書で調べると👇👇

り‐た【利他】 の解説

1 他人に利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと。

2 仏語。人々に功徳・利益 (りやく) を施して救済すること。特に、阿弥陀仏の救いの働きをいう。

goo国語辞書より

この「利他」の精神をもって生きた人(=西郷さん)の生涯を知ることにより、「利他」を深く知れるのではないか? と思い、本書を手に取りました。

本書の内容は、まず稲盛さんへの質問と回答があり、その後、西郷さんの生きざまについて書かれていて、稲盛さんが2.5割、西郷さんが7.5割くらいの分量。
読み始めは、構成が飲み込めず、?? となりましたが、「利他」の精神が、どのように経営に影響したのか(稲盛さんの場合)なぜ過酷な出来事をも乗り越えられたのか(西郷さんの場合)などがだんだんとわかってきてからは、ぐいぐいと読み進められました。

歴史にうとい民なので、今回はじめて西郷さんの生涯にくわしく触れましたが、まさに「利他」の精神を貫いた人だったんだなと、じーんとしました。

名君主 島津斉彬から学んだ「利他」精神

薩摩藩11代藩主で、幕末の名君主であった島津斉彬(しまづ なりあきら)に何かと目をかけられていた、若かりし頃の西郷さん。
斉彬は、自分の跡継ぎを、自分の子ではなく、弟の長男と決めて、早々にお触れを出しました。
血のつながりを気にかけた若かりし西郷さんは、「(その跡継ぎでは)周囲が納得しないでしょう」という意味のことを斉彬に意見します。すると斉彬は、西郷を叱りつけました。

(略)現在大事なのは島津家の家督問題ではなく、日本国の前途を案じ、日本の危機を避けることだと語りました。これこそまさに、斉彬の大義でした。

『無私、利他 西郷隆盛の教え』稲盛和夫[監修]プレジデント書籍編集部編 プレジデント社 90ページ

当時の跡継ぎ争いは、『お家のため』や『自らの保身のため』に、絶対に守りたいもの。なのに、斉彬は、『一身一家を第一とせずに、日本国全体の命運を第一に考える』人でした。
西郷さんは、そんな斉彬に大きく感動し、自分も『私心にとらわれず、無私の心で生きよう』と誓ったのでした。

わたし
わたし

素晴らしいリーダーに出会えたこと、そして、その教えを素直に受け取れること、そんな運と性格を持ち合わせていた西郷さんだから、すごい偉人になれたのですね✨

なぜ今、西郷さんなのか?

本書は2017年に出版されたのですが、なぜこのタイミングで西郷さんなのか? というと👇👇

2018年 ⇒ 明治維新から150年
2017年 ⇒ 西郷さん没後140年 という年であること。

西郷さんは新しい時代のために、命をかけてがんばったのに、明治政府の職にはつきませんでした。

明治の社会もまた、欲と私心だらけの状態でした。西郷は、そうした状況を見ながら、「これが苦難の末に勝ち得た国家なのか、目指した政治、社会なのか……」と嘆いたといいます。

『無私、利他 西郷隆盛の教え』稲盛和夫[監修]プレジデント書籍編集部編 プレジデント社 205ページ

この令和の時代も、西郷さんの嘆きに似たような、失望にかられることがないでしょうか?

同じ過ちを繰り返さないために、わたしたちにできることとは?

それは「利他」の精神を見習いつつ、歴史を学び反省し、「嘆き」ではなく「行動」を取らなければいけない、ということ。

行動とは、選挙に行くことです!

西郷さんの「利他」を受け継ぐ稲盛さん

日本を代表する経営者、京セラの稲盛和夫さんは鹿児島出身。
西郷さんの「利他」の精神を受け継がれているということがよくわかるエピソードが本書に書かれていました。

それは、1984年のこと。
日本電信電話公社の民営化、電気通信事業の自由化を、政府が踏み切りましたが、明治以来、独占していた電電公社(民営化後NTT)の力は強大で、誰も新規参入しませんでした。ここで、稲盛さんは思い立ちます!👇👇

「百年に一度の機会を無駄にしてはならない、国民のために通信料金を安くする」

(略)競争がなければ、通信料金は下がりません。そこで、通信事業の知識も経験もない京都の中堅企業の社長にすぎない私は、無謀と言われながらも、手を挙げることにしました。

無私、利他 西郷隆盛の教え』稲盛和夫[監修]プレジデント書籍編集部編 プレジデント社 36~37ページ

この思い切った挑戦の結果は、みなさんもご存じの通り、稲盛さんがつくった第二電電は、のちにKDDIとなり、大きな変革をもたらしました。

稲盛さんが新規参入するか、しないか、を決断するときに、繰り返していた言葉があったそうです。それが👇👇

「動機善なりや、私心なかりしか」

その判断に、私心はないかを何度も何度も確認しました。本当に国民のためを思ってのことなのか。この機会に京セラを大きくしたいといった私心はないか。自分自身に厳しく問い続けたのです。これは、西郷からの無私の思想を教わっていたことも影響したのかもしれません。

無私、利他 西郷隆盛の教え』稲盛和夫[監修]プレジデント書籍編集部編 プレジデント社 37ページ
わたし
わたし

個人的な話ですが、わたしが今まで使ってきたスマホは全部『京セラ』製品📱✨ 稲盛さんのことをあまり知らないうちから自然とそうしていました。
企業の本質的な部分は、別に宣伝しなくても、客側に伝わるのかもしれませんね。

西郷さんは変わらない、変わったのは世間の目

日本のために、命をかけてきた西郷さんでしたが、評価がいっぺんすることがありました。
あるときは、叛逆者(はんぎゃくしゃ)、あるときは、英雄だったり。島流しに2回も遭ったりもしました。でもそれは、西郷さんが変貌したわけではなく、世情がころころ変わっているだけ。

西郷さんは、「利他」や「無私」の「大義」の通りに生きているだけで、筋が通っているのです。

今の時代、SNSで何かを発信し、目立ってしまったら、なんやかんやとネガティブな言葉を浴びせられる可能性があります。でも、それはただの世間であったり、一部の意見であったりします。
だから、西郷さんのように自分の「軸」をしっかりもって、嵐が通りすぎるのを待てばいい。本書を読んで、そんな風に思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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