『経済は感情で動く』マッテオ・モッテルリーニ[著]紀伊国屋書店
お金を守り、踊らされない心をつくる知識
本の大まかな内容
あきらかに損をするのに、「感情」はそちらを選んでしまう……どうして??
そんな人間の不可思議を説明してくれる「行動経済学」。
シンプルな問いに答えていくうちに、「行動経済学」の面白さにハマってしまう、入門書の名著。
こんな方におすすめ!
◎「行動経済学」がどんなものか知りたい方
◎かしこくお金を使いたい方
◎人の心の動きに興味がある方、心理学が好きな方

「経済学」をまったく知らないわたしでも、わかりやすくて、とても勉強になりました!

感情のせいで、将来の利益を考えられなくなる
問15(二者択一)
たとえばスキー旅行の予約をした。あなたはばかにならない金額をすでに払いこんでいる。しかし当日は寒くて風も強く、雪が降っていた。家を一歩も出なくないのに、もうお金は払ってしまっている。
さてどうしますか?
1 スキーに行きますか。
2 それとも温かい家で過ごしますか。
『経済は感情で動く はじめての行動経済学』マッテオ・モッテルリーニ著 泉典子訳 紀伊国屋書店 62ページ
本書では、こういう問いがたびたび出されます。
一見シンプルだけど、「ちょっと待てよ」と考え込んでしまうような、絶妙な問いばかり。
正しい答えがあるわけではなく、多く選ばれたのはどちらか? その理由は? というような分析が書かれていきます。
数字で示され、信用性が高くわかりやすい解説に、思わずうんうんとうなづきまくりでした!
ちなみに、上の引用の問いには、続きがあります。
問16(二者択一)
問15と状況はほぼ同じだが、一つだけ違いがあって、スキー旅行の予約はプレゼントだったとする。
さてどうしますか?
1 スキー旅行に行きますか。
2 それとも温かい家で過ごしますか。
『経済は感情で動く はじめての行動経済学』マッテオ・モッテルリーニ著 泉典子訳 紀伊国屋書店 62ページ
問15 ⇒ 多くの人が1を選んだ(自腹なら行く)
問16 ⇒ 多くの人が2を選んだ(自腹じゃないなら行かない)
これは、使ったお金に目をつぶることができない心理「使ってしまったお金というトリック」。
すでにした投資のほうに気をとられ、肝心な『将来の利益』を考えられなくなるのだそうです。

「もったいないから」と悪天候の中、むりやり外出しても、身に危険がおよんだりしたら、そっちの方が大損😨💦
「家で温まっていられるなら、いくら払っても惜しくない」と考えること!
すでに払ってしまったお金を、損失ではなく利益に換算してみるといい! のだそうです!!
「今では常識」がたくさん書かれている! この本の大きな影響力
経済学のことを全然知らないわたしでも、書かれていた内容で、知っていたことが何コかありました。
🔶同じ質問を、否定的に訊くか、肯定的に訊くかで、答えが変わってくる
🔶「10%」より「10人に1人」の方が、人の感情を揺さぶる など

コロナのニュースも、「死亡率何%」より「何人死亡した」と言われる方がインパクトありましたよね😨💦
本書が日本で出版されたのは、今から13年前の2008年。
当初はまだ「学問の聖域」だけで知られていたことが、今では世間一般の常識になっているということは、本書の影響力というのは大きかったんだろうな、と感じました。

本書を最近読んだわたしが言うのもなんですが、新しい本を読んで、最新情報を知ることの重要性もすごく感じました💡✨
覚えておきたい市場のワナ
何もギモンに思わず、まんまと市場のワナにハマっていたことも、気づかされました。
たとえば👇👇
この2つも、すでにご存じだという方も多いかもしれません。
知っていた方も知らなかった方も、もう一度肝に銘じて、買おうと思った商品が、本当に欲しいものなのかを考えてから、購入するかしないかを決めたいですね!

惑わされない買い物をするための、知識満載です!
『行動経済学』のブックレビューは、こちらもあります👇👇👇

まとめ
一見難しそうな「行動経済学」という学問を、シンプルな『問い』や『実験』のデータを使って、一般の人たちにもわかりやすく伝えてくれた本書の存在は、本当に大きかったんだな~と感じました。
こういう知識を知っているかいないかで、生活の質が変わると思います!
これからも積極的に、いろいろな「経済学」の本、その他の「学問」の本を読んでいきたいと、思いました!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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